動きつづける

2024 年 4 月 2 日

自転車通勤をやめて、なるべく歩いて会社に行くことを心掛けています。

気が急いて早く行って早く帰りたい時は車に乗ってしまう。運動不足だな

と感じれば、それでも自転車で済まそうとする。そんなことをここ数年繰

り返したおかげで、見事に足の筋肉が落ちてしまいました。山登りにも行

けるような状態ではないです。寒さもやっと一段落して桜の花も咲き始め

て、まだ日差しも柔らかい。鬼子母神の近くの法明寺は桜の名所で花見を

する人が多い処です。そこに掲示板があって法話的な事が書いてある。

「行った事の後悔は時間とともにだんだん小さくなる。行えなかった事の

後悔は、日が経つ毎にだんだん大きくなる。」古今東西、あらゆる処で言

われてきたことですね。まぁ実際世界は行われたことで出来上がっている。

新宿ロフトには行ったことがないです。荻窪ロフトがあったと云う事も知

りませんでした。オープンが74年で閉店が1980年。1978年には

荻窪南口中通り商店街のどん詰まり「イワシの目」の前に住んでいたので

すが、イワシの目でジャズばかり聴いていました。パンクの時代には、渋

谷屋根裏に通っていました。何故新宿ロフトに行かなかったのか解らない。

スターリン、ジャガタラ、裸のラリーズのライブは、面白かった。198

0年は明らかに新宿はダサくなり始めていて、渋谷の時代が始まりかけた

のかもしれない。1974年、1976年に荻窪ロフト、新宿ロフトでラ

イブをやっていた人たちは、その後大手レコード会社からデビューして、

時代の寵児となり、見事に現在の音楽業界を牽引する人たちになっている。

私は、ずっと観て、読んで、聴いて作品集を買う人で今日まで来ている。

情報や知識と感動や新しい価値観と云うのは、別次元のモノであり、やる

やらないとは少し違う気もします。しかし新たな感動を創出すると云うのが

時代が変わってもずっと続いているのですね。そう云う事を理解していても

私が行うのは、歩くというような、無為無策、一銭の金にもならないような

事を一生懸命やるのですね。

オッペンハイマー

2024 年 4 月 1 日

日曜日の 午後1時過ぎの回、池袋グランドサンシャインシネマ、開映

ギリギリに暗い階段をヨタヨタ、駆け上がった。満席だった。爆音の中

原爆開発プロジェクトが始まった。アメリカ中の科学者が集められ、ド

イツとソビエトとアメリカの開発競争が行われ、7月16日の早朝、点火

され実験は成功した。爆発した瞬間、何故か鼻水と涙が流れ始めた。

その後の大喜びのどんちゃん騒ぎは、さして怒りは湧かなかった。ただ

ただ悲しかった。かみさんは、科学者には罪はないと云った。私もそう

思う。落としたのはトルーマンだ。喜んだのはアメリカ国民だ。ノーラ

ンの描き方が姑息だなと思った。オッペンハイマーの苦悩や罪、不遇な

どと言い訳じみた仮託が気に入らない。共産主義やユダヤ人とかいろい

ろな要素をちりばめているけど、正面から大量殺りく兵器と云うものに

向き合ってはいない。誕生から79年。原子爆弾に恋い焦がれ続けてい

る。電気を使う生活の向こうにあるのは原子力発電所であり、そこで生

成されるのはプルトニウム。日本も原子爆弾への思いは強烈にあり、静

かに実験は・・・・・・・・。

大江戸骨董市

2024 年 3 月 27 日

日曜日に有楽町に出かけたら「大江戸骨董市」やっていました。

「見るだけ、見るだけ、絶対買わないから!」と云いながら、

やっぱり買ってしまうのですね。


スウェーデン製 木のお盆。6500円


明治の初め、手書きの銘々皿。3000円。2枚。

「古物商許可証」取って、出店したいなと考え始めています。

ピーター・グリーナウェイ

2024 年 3 月 22 日

渋谷イメージフォーラムで10日ほどかけてピーター・グリーナウェイを

観てきました。「プロスペロー」1991年「ZOO」1985年「英国式」

1982年「数に溺れて」1988年の順番で観ました。音楽はすべて

マイケル・ナイマン。ナイマンによって狂わされて行っている感じもする

けどナイマンは、考えたら執着する情念映画ばかりやっているのですね。

ナイマンは好きです。ミニマルミュージックを始めたのがこの人と云う

のは初めて知りました。この監督の事は全く知りませんでしたが流石に

評判になるだけの狂いっぷりです。もっと若いうちに出会いたかった

監督ですね。70年代から80年代はこのような時代だったなと思います。

映画はやはり画を映すものです。エキセントリックであろうがエロチック

であろうが画だけで完結しているべきと思います。グリーナウェイは王道

の監督だと思います。元画家の人ですものね。つくづく、20代で観たか

った作品でした。

タル・ベーラ ヴェルクマイスター・ハーモニー

2024 年 3 月 11 日

「破壊とヴァイオレンスに満ちた、漆黒の黙示録」と云うのやけど、「サタ

ンタンゴ」と同じように、コメディ?を撮っていると云う印象でした。相変

わらずの長廻し、余波が全身に行き渡って5分の1ぐらい帰りかけたところ

まで引っ張るから、奇妙な脱力がある。暴徒は老人病院に押し入って破壊の

かぎりをちゅくす。床に油をわざと撒いているのか、足元が覚束ない。暴徒

を鎮圧する軍のヘリコプターも至近距離から撃っても撃っても弾は当たらな

い。愚かで滑稽な人間。しょうがないですよね。しかし、タルベーラが56

才で引退と云うのは判る様な気がします。この人の映画は、商業的に成り立

たない。同じようなアプローチなのに「ふうてんの寅さん」は、愉快です。

タルベーラさん、先月日本で映画学校やっていたみたいですね。

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